2016年6月5日日曜日

白馬大雪渓 2016GW


白馬大雪渓 2016GW


去年は道が分からず山頂まで辿り着けなかったので、今年は再挑戦。

栂池からゴンドラで、白馬大池でテント泊、翌日に白馬山頂といった計画。

しかし強風でゴンドラが動かず。

ゴンドラ乗り場。
諦めて写真だけ撮って帰る。




11:00まで待ったが動かないので今日は諦める。

翌日に白馬大雪渓ルートで白馬山頂へ。


日帰りまたは、調子がよければ猿倉→大雪渓→山頂→白馬大池→栂池もアリかと思ったが、とんでもない登りだった。


思えば、

  ・ 富士山の5合目からの登頂で標高差 1,400m

  ・ 白馬の猿倉からの登頂で標高差 1,700m

なのだから、白馬のほうがきつい。

白馬乗鞍岳側から見た白馬大雪渓(Google)

馬乗鞍岳側から見た白馬大雪渓(2015)
滑ったら死ぬんじゃないかと思って見ていた。




しかも冬靴で12本爪アイゼン装備。とうぜん雪道。

後半は休み休みで山荘まで7時間を要した。


健脚でないのは自覚しているので、7時間は想定しておくべきだったが。


山荘で1泊して、帰りは尻セードで距離を稼いでなんとか帰った。

尻セード時に石に当たってとても痛い思いをしたが。


辛いのだが、その分「成し遂げた」感があるから困る。


以下、山行記録。





30日。

天気予報を見ると、白馬山頂の3,000mで風が弱まるのは2日(月)だけ。



このため登頂は2日で決定。

必然と1日(日)中に栂池からゴンドラで登って、白馬大池でテントを張る必要がある。


白馬大池の標高1,800mくらいだから予報では風速は14m/sで意外と風が強い。


テントは非自立のテラノヴァなので、設営も設営後も不安がある。


TERRA-NOVA LASERCompetition1
ダブルウォールだが軽い。
居住スペースは意外と快適。
風に強いのかは試してみるしかない。



1日 朝05:00 栂池高原スキー場 駐車場
雲が多いが雨は降らなそう。
ゴンドラが動き出すまで休憩。

7:00過ぎ

駐車場でも時折強めの風が吹く。

まさかゴンドラが動かないって事はないよな、と思っていたら、本当に運転見合わせとなってしまった。

テントの心配をしている場合ではなかった。


ゴンドラ待ちのスキー客はとても多かったが、10:00頃には諦めてしまったようだ。


結局11:00まで待ったが動かない。諦める。



次に行くところの当てもなく、とりあえず道の駅小谷で風呂に入る。

道の駅 小谷
駐車場も結構広い。GWなので混んでいたが。
深山の湯は620円。お昼を食べれば半額。



山に行くときは、やはり山以外の予定も立てておくべきだ。

ここの風呂はその日のうちなら一度出てからまた入って良いらしい。



行く当てもないが日本海を目指す。
日本海側に近づけばお店は多いはずなので、時間は潰せるだろう。

日本海側に到着
姫川の汽水域(GoogleMAPより)

コンクリート工場の脇辺りに車を停めて休憩。
・・仮眠を取るといつの間にか日が暮れていた。


1日 夜。

ガストで夕飯を食べながら、雨飾山か白馬大雪渓か悩む。


ただ、スマホで調べるには通信制限的な限界があり、多少は調べてきていた白馬大雪渓に決定。

(通信制限:楽天モバイルは3.1GBのパックだと3日で540MBという縛りがある)


とりあえずナビを頼りに猿倉荘を目指す。




ガスト糸魚川店から猿倉荘へ

近くのマックスバリューが24時間営業していて便利



車のナビよりもスマホのGoogleのナビのほうが優秀だと思う。

スマホが無かったら辿り着けなかったかもしれない。


すれ違いできないような山の一本道を登っていくとやっと山荘へ。



夜中25:00頃、猿倉荘に到着(写真は朝方のですが)


すでに40台くらいの車が停まっている。


みんな寝ているのだろう。

テントで泊まっている人もいる。


なるべく静かに移動して車を停め、ライトを消してエンジンを切る。静寂が訪れる。


自分も寝ようと思ったが、そう言えばトイレに行く間もなく駐車場まで来てしまった。


途中は山道だったし、駐車場にトイレがあるかよくわからなかった(実際は少し離れた猿倉荘の左上方にある)。


外に出てしようかとも思ったが、この静寂の中でヘッドライトを点けて用を足すのは無理。

今回はしょうがないので、ペットボトルを使ってうまく用を足した。


まさかピーボトルが必要になるとは。

これからは車に積んでおこう。

100均で買ったボトル。これをピーボトルにしよう。
だが、こぼれると悲惨なので信頼のおける品がよいかもしれない。







なお猿倉荘の駐車場は宿泊客以外は使えない。

この看板にあるように直進した先の駐車場に停める。

夜だとイチイチ読む気はしないが。

宿泊者以外は直進。


2日 早朝

周りが動き出す。ヘッドライトのランプがところどころで点く。

朝4:00頃。
まだ少しくらいが先発隊が登り始める。
準備を終えて猿倉荘で登山届を出す。


すぐ脇が登山道


もう雪がある

ここから

林道
おそらく道に迷うことはないと思う。


まさか渡渉があるとは。

この程度で渡渉と言うかはわからないが、靴が濡れる可能性があれば渡渉と言っていいだろう。


結構流れがある


くるぶしぐらいまでの靴だと濡れてしまうかもしれない。

冬靴(VertoS6K)ではあるが、それでも不安。

行きで靴の中を濡らす訳にはいかない。

Verto S6K Glacier GORE-TEX
これでも不安。





動画も撮っておいた。


石の上をうまく渡ればそれほど濡れないが、滑ったり転んだりすると余計悪い。



さらに進むと、崩れそうなスノーブリッジ。

5月でもこんなに溶けてしまっているのなら、夏は無くなっているのかもしれない。
むしろ無いほうが安全。

落ちたら最悪。
だが毎年誰かが落ちて崩すのだろうか。

05:46 林道を終えると後はひたすら雪渓を登る。

白馬尻小屋だか山荘だかは見当たらなかった。
雪の中だろうか。

徐々に高度が上がっていく。


07:44 スキーにシールを貼ったスタイルが多い。
むしろ山登りの人は10%もいない。
ヘルメット所有率は40%くらいか。

どこからでも落石が落ちてきそう。

ただ、落石が頭の高さに飛んでくるようなイメージはわかない。

どちらかというと滑落時に落ちている石で頭をケガする可能性のほうが高いかもしれない。


頭上からの落石は本当に怖い。カン、、カン・・、カンーー、ヒュゴッ!って感じで落ちてくる。


雪崩の跡のようだ。
白馬大雪渓は雪崩も要注意だ。

09:00 登り始めて4時間。
この辺りでゴールが見えてないと気が滅入る。


流石に疲れてマンゴーヨーグルトを飲むが、イマイチ元気が出ない。夏は一瞬で元気が出たのだが。

続けて井村屋のチョコのようかんを食べる。これはすごい。

チョコを食べたような感じですぐに元気が出た。



これは良い。やはり糖分は一瞬で回復する。
チョコだとべたつくが最初からべたついてれば気にならないという不思議。

災害時の保存食にもなるので買い置きしておいてもよい。



10:30 頂上宿舎が見えてきた。
開いていないので、岩の近くで小休止。


靴が重いせいか、雪道のせいか。

右足付け根も痛く、休み休み登る。


山荘に泊まることを考え始める。

しかし山荘が見えない。このまま帰ろうか悩む。


スマホで調べると近いはずなのだが。もう少し登ってみるとやっと山荘が見えてきた。

11:30 あと少しで山荘だが、なかなか着かない。

12:00 白馬山荘に到着。
予約なしだが快く泊めてもらえた。


白馬山荘は夜と朝の食事込みでだいたい1万くらい。

自炊の場合は室内の自炊場も貸してくれる。

ちなみに食事はとてもおいしい。

布団はとても冷たかった・・。まあこれはしょうがない。

夏の最盛期は混むのだろう。 
とりあえず部屋で一息つく。

15:00 山荘から山頂までは30分程度で行ける。
暇つぶし気分で山頂に向かう。
荷物をほとんど置いていけるので楽だ。
かなり風が出てきた。

斜面によっては雪がまったくない。
不思議だ。
看板にエビのしっぽができている。


雪庇。
危ないから近づかない。

やっと山頂に到着。
2年越しで登頂。



三国境、小蓮華山~白馬大池への稜線ルート

こんなに険しいところを登ってきた訳ではないが随分高いところまで来た感じはする。



今回初の12本爪アイゼン。
BlackDiamond セラック プロ。
やっぱりワンタッチは便利。

6本爪で登っている人も何人かいた。
前足の爪がない分滑るはずだが、それほど急登はないので問題なさそう。

山荘で買ったビールを飲む。贅沢。
すぐにお腹が膨らむ。
標高が高いからだろうか。

サンセットでも見ようかと思ったが、風が強くてとても寒いので撤収。


山荘に帰って、道具は乾燥室で乾かす。

17:30 夕飯をおいしく食べた。

あとはTVや本が置いてある部屋で暖かく過ごす。

今年も北アで遭難や事故が多発している模様。風が強いせいかもしれない。

いろいろとあったらしい(写真は4日のニュース映像)




部屋はこんな感じ。
今日は部屋に2人だけだったので広々と使えた。

3日 05:30  朝食

これもおいしかった。

朝からご飯とお味噌汁をお代わりして満足した。

06:30 下山開始。


先発隊はもう見えない

雪面は締まっている。
サクッサクッという感じ。

本来は楽しく下るのが登山なのだろうが、すでに足が痛いので尻セードで距離を稼ぐ。

傾斜があるとかなりスピードが出る。
アイゼンを外さないと引っかかって危ない気もするが、アイゼン外して止まらないのも怖いので着けたまま滑る。



尻セード中におもいっきり落石にヒット。石が雪に埋もれていたようだ。

尾てい骨が割れたかと思ったが大丈夫だった(?)

危なく行動不能になるところだった。

2週間くらい痛みが残った。

まな板で尻セード。
リーシュ代わりにスリングをつけた。
落石にヒットしてバキバキに割れた。

去年はちゃんと「まな板」として使ってました。



07:50 登るときは無かった巨大な裂け目が発生している。

ヒドゥンクレパスとかシュルンドに落ちることもあるかもしれない。
1人山行の場合は特に注意しなければならない。
落ちたらどうやって登るか考えておく必要がありそうだ。


空洞の上はだいたい雪が黒く変色しているような気がする。
一度開いて閉じたからだろうか。
こういうところは近づかない。

まさに雪渓。
ずっと上から流されてきて、谷底に向かって引き延ばされているようだ。


08:00 林道まで戻ってきた。

今年は雪解けがはやそうだ。


何度見ても危うい。




再び渡渉。帰りは濡れてもよいから気が楽である。

09:00 山荘まで戻ってきた。

バスは1日4本だろうか。
栂池から猿倉というのもやってみたいが、バスはあまり期待できそうにない。

駐車場から見たトイレ。給水も可能。

山荘用の駐車場。(前述の看板を左へ)


こっちは一般登山客用の駐車場入り口(前述の看板を直進)

駐車場から山荘を経由せずに登ることも可能だが、どちらかの組合が、山荘で登山届を出すようにとブロックしている。

今回の装備

グレゴリー バルトロ85
BlackDiamondのピッケル

ピッケル派もほとんど居なかった。

スキーヤーが多いせいかほとんどはダブルストック。

自分の足が痛いのも今回はストックを使わなかったせいもあるかもしれない。

ともあれ無事戻れてよかった。

帰りは温泉によって、うどんを食べて帰った。


みみずくの湯
ちょっとわかりづらいところにあるが、落ち着いていてよい。
うどんもおいしかった。安いし。




0 件のコメント:

コメントを投稿